風速センサの性能
E-Sensor の風速計について、高性能風速計 クリモマスター6501(プローブ 6543-21, 熱線式) を真値基準として、 確度・直線性・応答・ばらつき・向き依存(指向性)を実測評価しました。計測範囲は 0.0 – 5.0 m/s です。
- 確度: 0.5〜2.5 m/s で概ね ±5% 以内、直線性 R² = 0.998。
- 微風速: 0.5 m/s 以下でも 絶対誤差は約 0.1 m/s。
- 応答: 風の変化に遅れず追従、行き過ぎ 1% 未満、ヒステリシスほぼ無し。
- 安定性: ノイズは実際の気流の揺らぎと同程度、無風時のゼロ点も安定。
- 向き依存: 平均まわり ±約8%。青色の面を風上に向けると最も正確。
本ページの数値は個体 97B15211 を風洞で評価した一例です。個体差・取付・気温により多少変わります。教育・室内環境計測での目安としてご利用ください。
確度・直線性
基準器(クリモマスター6501)の読み(横軸)に対する E-Sensor の読み(縦軸)です。点が対角線(1:1)に載るほど正確で、R² = 0.998 と高い直線性を示します。
| 風速域 | 確度(基準器比) |
|---|---|
| 0.5 – 2.5 m/s | 概ね ±5% 以内 |
| 0.5 m/s 未満(微風速) | 絶対で 約 0.1 m/s |
| 直線性 | R² = 0.998(E ≒ 0.96 × 基準 + 0.05) |
階段状の増減
風速を階段状に増やし(昇順)、続いて減らした(降順)ときの記録です。E-Sensor が基準器によく追従し、上げ・下げの差(ヒステリシス)が小さいことが分かります。
グラフ冒頭の立ち上がり(パルス)は、暖機運転から計測に移る際の風洞ファンの起動に伴う気流の過渡であり、E-Sensor の特性ではありません。
読み取り間隔は、基準器(クリモマスター6501)が 1 秒ごと、E-Sensor が 約 0.2 秒ごと(毎秒 4〜5 回)です(E-Sensor の線が細かいのはこのためです)。
応答・安定性
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 追随性 | 風の変化に遅れず追従(基準器比の遅れ ≈ 0)、行き過ぎ 1% 未満 |
| ヒステリシス | ≤ 0.03 m/s(上げ・下げの差、無視できる) |
| ノイズ | 実際の気流の揺らぎと同程度(センサ由来ノイズは僅少) |
| ゼロ点 | 無風で 0.004 m/s、安定(ドリフト僅少) |
熱線式のため、使用前に数十秒の暖機で読みが安定します。起動直後の冷えた状態では低めに出ます。
高風速と低風速の繰り返し
高風速(約1.1 m/s)と低風速(約0.2 m/s)を反復して切り替えたときの記録です。E-Sensor は毎回の変化に遅れず追従し、繰り返しても同じ値に戻る(再現性が高い)ことが分かります。
連続的な増減(ランプ)
風速を連続的に増やし・減らした(ランプ)ときの記録です。E-Sensor が基準器にほぼ重なって追従します。
向き依存(指向性)
検知部が平たい形状のため、気流の向き(水平方位)によって読みが少し変わります。下図は各風速の読みを平均で正規化したもので、点線の円(=1.0)からの凹凸が向きによるばらつきです。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 向きによるばらつき | 平均まわり ±約8%(全速度でほぼ一定) |
| 最も正確な向き | 青色の面を風上に正対(=出力が最大になる向き) |
| 誤差の絶対値 | 低速で ~0.1 m/s、高風速ほど大きい |
向きを一定に保てば指向性の影響はほぼ回避できます。
評価方法
基準器 クリモマスター6501(プローブ 6543-21)と E-Sensor を、同一のファン運転スケジュール(暖機→階段状の増減→反復ステップ→保持→緩やかなランプ)で順に計測し、時刻をそろえて比較しました(風洞1・1個体)。指向性は水平45°刻み・8方位で計測しています。